第167回天皇賞・春(京都競馬場 芝・3200メートル)が30日、新装の京都競馬場で行われ、3年ぶりに京都で行われた天皇賞(春)を制したのは
2番人気のジャスティンパレス(4牡)だった。
中団で脚を溜めて、上がり3ハロン34秒9の決め手で突き抜けた。
前走阪神大賞典に続いて状態の良さと、長距離適性の高さを示す走りを見せた。
単勝1.7倍の断然1番人気に支持され、天皇賞連覇を狙ったタイトルホルダーに異変が起きたのは3コーナーにある京都名物、坂の下りだった。
最後の直線。先頭に躍り出た、ディープボンド(牡6)の外から抜群の手応えで
進路を確保したジャスティンパレスが一気に襲いかかったが、そのはるか後方の4コーナーで断然人気のタイトルホルダーとアフリカンゴールドは競走を中止していた。
淀の第3コーナーの坂は“魔の下り坂”として知られる。
新装された京都競馬場は、主にスタンドやパドックなどが改修され、
コースレイアウトは、これまでとほぼ同じ。2度の坂越えと3200メートルという過酷なコース。
名物の3コーナーの坂も当然、残っており、外回りだと高低差は4・3メートルにも及ぶ難所。馬によっては坂の下りを利してスピードに乗れるタイプもいるが、坂の下りを苦手にする馬も少なくなく、過去に幾度となく悲劇も起こってきた。
1995年、京都競馬場で行われた宝塚記念でのライスシャワー。
ミホノブルボンの3冠を、メジロマックイーンの盾3連覇を阻止した名ステイヤーは3コーナーすぎの坂の下りで、得意のロングスパートに出たが、直後に前のめりに崩れ、いったんは身体を起こした後に再び転倒。
その際に左第一指関節開放脱臼、粉砕骨折し、天国に旅立った。
新しい京都競馬場で初のくだり坂、3年前の菊花賞でも4コーナーを先頭で回り、
ここ2年の天皇賞(春)でも2着に入った当代屈指のスタミナを誇る、ノースヒルズ 前田晋二氏の6歳馬、ディープボンドが悲願の春天制覇に向けてひた走る。
それを外から差してきた馬が、ルメール騎手と4歳馬のジャスティンパレスだった。
鞍上のルメール騎手は2019年・20年にフィエールマンで連覇を飾っており、
本競走3勝目。本馬を管理する杉山晴紀調教師はこのレース初勝利となった。
2着は2馬身半差で和田竜二騎手騎乗の5番人気、ディープボンド。
3着は1馬身差でD.レーン騎手騎乗の6番人気、シルヴァーソニック。
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